FLIGHT TRAINING 操縦訓練
CBP 自信養成訓練

CBP 自信養成訓練

CBP 自信養成訓練

CBPロゴ
Confidence-Building Program for all pilots

航空業界では世界的に有名な緊急機動訓練、通称「EMT」(Emergency Maneuver Training著者のリッチ・ストーウェル氏が提供する訓練プログラム)は、操縦者の危機回避能力の向上を目的としてFAA(米国連邦航空局)も推奨しているプログラムです。しかし、残念ながら日本ではあまり知られていません。何とか国内でも実施できないか・・・そういった想いから、EMTを受けた数少ない日本人有資格操縦士が過去にその普及活動に尽力したものの、不運が重なり国内ではほとんど知られずに浸透していないのが現状です。
CBPは、EMTの重要性を認識した上で、セスナ172型を使用し、通常の飛行ではなかなか経験できない領域における飛行特性や操縦性を確認し、また非常時を想定した訓練などを経験し、飛行への理解を深めていく訓練であり、次の3つを主な目的とします。

  1. 失速やスピン等への潜在的な危険意識や恐怖心を取り除く
  2. 危険を認識し安全に飛行できる能力を養う
  3. いつか危機的状況に陥った時にも落ち着いて対処し飛行を継続できる能力を養う

弊社は、現在日本におけるEMT第一人者であるエアショー・パイロット内海氏のご指導も頂き、EMTプログラム修了者を中心にスタッフの協力を経て訓練可能な体制を整えることができました。
CBP訓練を安全意識の高揚のきっかけとして、一人でも多くの方に経験していただき、今後の航空文化の進化と発展に寄与していけることを、本プログラムの趣旨としてここに致します。

関連サイト

  • 訓練プログラム

    全3回の訓練プログラム(ACT-1~3)

    各ACT
    • 地上座学

      約1時間

    • 飛行訓練

      約45分

    全ACT
    • 地上座学

      約3時間

    • 飛行訓練

      約2時間15分

    ※当訓練は自家用操縦士技能証明以上の資格保持者を対象としています。ただし、航空機操縦練習及び操縦練習飛行等の許可を受けている場合(これから自家用操縦士を目指そうとしている方など)は訓練可能です。

    ※訓練費等詳細はお問い合わせ下さい。

  • 訓練概要

    旋回訓練

    • ダッチ・ロール
    • コーディネート・ターン

    スピン/ストール耐性

    • ストール・フライト
    • ラダー・エクササイズ
    • スリップ・フライト
    • スピン・リカバリー(初期段階)

    ※スピンの兆候(初期段階の初期)を早期に認識し、その時点での回復を目的としており、確立したスピンからの回復が目的ではありません。

次ACTまでの期間が6か月を超えると前ACTは無効となります。
ACT‐3終了をもってCBP修了とし、「修了証書」を授与いたします。

メッセージ

  • 「安全を祈って」 CBP創設へ

    人間が乗って操縦する「航空機」が誕生し110年以上がたちます。
    現在、機材の電子化や品質、整備技術などの向上により「航行」の安全は当たり前のように謳われています。

    しかし、近代化する前の「飛行」はまさに命懸けであり、人生を懸けるに値する人類の「希望」そのものだったのです。
    私たちはいま、先人の方々がかつて飛行という危険に挑戦し心血を注ぎ築き上げられた歴史と、そのために失われた多くの犠牲の上に飛ぶことができています。

    それにも関わらず、私たちは高く上がれば上がるほど大切なものを見失っているような気がします。
    それは、「飛行の本質」です。運航システムや機体性能の向上が、「飛行機を飛ばす」「操縦する」ということへの意味を薄れさせ、本来操縦者が持つべき技量及び知識、不測の事態への対処能力の低下、不適切な計画立案、また不安や恐怖心を抱えたまま運航を継続してしまうといった精神的要因を作りだし、それらが取り返しのつかない事態を招いてしまっていることは悲しい事実であると重く受け止めています。
    私たちは航行の安全を第一に考え、航空の発達を望む一方で、そういった複雑な問題を潜在的に抱えて日々の飛行に臨んでいます。しかし、より安全な運航を目指すためには、しっかりと危険を見据えて飛行することが大切であると思います。

    皆様は、昨今の航空事故の報道や事故結果を見るたびに心痛ましい気持ちになられていることだと思います。

    一般人も犠牲となった平成27年7月の調布の墜落事故から半年、CBP創設に向けて、いろいろな想いを巡らせていたところ、
    千葉、そして八尾と立て続けに小型機が墜落するという大事故が起きてしまいました。
    どうして同様の事故がこれほどまでに繰り返されてしまうのでしょうか。1年もしないうちに大事故3件、9名もの尊い命を失ってしまいました。ご遺族の方々の悲しみは計り知れません。難しい問題かもしれませんが、私たちは何としてもその解決へと動かなければなりません。

    私たちはまず、現代の航空事故の大部分がヒューマンエラーによるものであると認識しなければなりません。
    そしてその多くが不測事態や未知の状況に直面して起きています。「パニック」つまり、非常時における「自信喪失」が問題であると言えます。過去約20年間の事故事例を見てみると、低高度、低速度での事故が最も多く、なかでも操縦者の「自信喪失」が操作や判断ミスを招き、失速、スピン、そして操縦不能に陥ってしまっているケースが多いことに気づきます。

    CBPの意義はそこにあります。
    失速やスピンについては「触れてはならない、絶対に避けるべき」といった考え方を変えなければ「自信喪失」は克服できません。安全を求めても向こうからはやってくることはありません。積極的な姿勢でこちらから向かっていくこと、そしてそれらをもっと身近な存在として知ることが大切であり、それができる場が飛行訓練であると思います。
    操縦者として大切な経験は、そうした積極的な訓練によって得られますが、必ずストール及びスピンに関する力学や特性等について理解し、その挙動も含めて習熟した教官とともに行うことが大切です。繰り返しになりますが、安全管理において「危険を見据えた飛行」は大切な要素なのです。

    EMTプログラムの創設者であるリッチ・ストーウェル氏は25年以上も前からその普及活動を通じて、FAA(米国連邦航空局)を始め世界各地の航空安全に貢献されています。
    私自身、EMTを受けてその重要性については強く感じているところですが、今日まで絶えず繰り返される事故を見ると、CBPの意義の大きさ、そして責任の重みを感じます。当訓練が、操縦者一人ひとりの「運航」に対する取り組み方、また「飛行」そのものに対する考え方を見つめ直すよい機会となることを信じています。

    最後に、CBPの英知としての源であるEMTを生み出し大切なことを与えてくださったリッチ・ストーウェル氏、当プログラムの訓練内容全般の構成に関して親身になってご指導を頂いた内海昌浩氏、そして当プログラムが実施可能な環境と機会を与えて頂いた当社岡山航空、これら全ての協力があってCBPを創設することが出来ました。ここに深く感謝申し上げるとともに、それぞれの想いが一つとなって、この美しい空の安全に繋がることを切に祈ります。

    平成28年5月
    岡山航空株式会社

    教官操縦士 山田健太郎

    (2015.8.1 EMT修了)

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